オーバーロード反対派に散々苦労させられるストルムグレンやライバーグ、それにちょこちょこ手出しするカレルレン。
そのような事を、壮大なSFを使い描いた作品だったのではないかと。
全編を通して登場した地球総督カレラン。 この話は、いわゆるエイリアンへの抵抗を繰り広げるような的なモノではない。
ある時、このコミュニティに住む子供たちに異変が起こり始めた。
暴力や誹謗中傷を肯定するわけではありませんが、 正と負それぞれを持ち併せてこそ人間なんじゃないかなと。 カルロレンは、最終的に子供たちを宇宙に旅立たせ、大人は絶滅させます。
19あらすじ 光文社新訳版 ある日、地球上空に巨大な宇宙船が現れ、宇宙船の主たち、オーヴァーロード 最高君主 と呼ばれる異星人は、超越的な知性と科学力で姿を見せぬまま人類を統治し、平和で理想的な社会を地球にもたらす。
それをいまから取り返そうと決めていた。
カレルレンは全ての子供たちは集められて次の段階に進化し、今後もう地球には子供は生まれることはなく、大人たちは好きなように残りの人生を生きられると宣言する。
アーサー・C・クラーク『世界SF全集 15 クラーク』福島正実・訳、早川書房〈〉、1969年。 「終り」という言葉にはしばしば悲劇的な意味合いも含有されるものであり、クラークはどうやら言語の持つ微妙な意味合いを抒情的に操ることが得意な作家のようなので、このタイトルにも含むところがあると察して然るべきだったのかもしれない。
2彼らは人々を、人類だけでは成し得ることが出来なかった戦争や貧困のない平和な時代へと導いていく。
第三部の主人公ジャンが密航してオーバーロードの星へ行くのも ここは、逆にSFの書き手として異星人のビジョンを書き読者に見せたいクラークが出た感じで、それこそめちゃめちゃ賢くて一般SF読者には、オーバーロードのような存在だったクラークの作家として人間としての限界と書くと書きすぎですが、作家として揺れ惑う気持ちを垣間見た気もしました。 タイトルがダブルミーニングないしトリプルミーニングになっていると読めることに気づき、再読の楽しみを満喫することができた。
14ちょっとした暴言や暴力を行うと、パワハラ・モラハラ・イジメなどと扱われる社会。
まさに幼年期の終わりの舞台となっている年代です。
多くの「異星からの侵略」ものと異なり、冒頭で地球を訪れた未知の文明は、圧倒的な力を持ちつつも地球に対してその力を振るおうとはしません。
11アシモフ、ハインラインと並び称されるSF界の巨匠と呼んでいいだろう。